「死にたい!もう死にたい!」 掴まれた腕を必死に動かそうとする 勿論、俺も放すつもりはない 「ダメだって!  ・・・本当に、ごめん。少し疲れてたんだ」 頭を下げ、彼女の返答を待つ。 許してくれるとは思っていない。ただ、話をだけでも聞いてほしかった。 暴れるのを止め、途端に静かになる それなら、と俺も掴んでいた右腕を放した そしてゆっくりと顔を上げると、無理矢理作ったであろう不自然な笑顔でこう言った 「ううん、ごめんね  私が我侭言ってたんだよね、主人公も大変だったんだよね」 「え・・・?あ、うん・・・」 彼女の態度の急変に驚きを隠せず、口篭ってしまった 泣き止み、にこにことする彼女 やっぱり、どこかに不自然さがあった 「許して・・・もらえるの?」 どうしても、聞かずにはいられなかった 聞けば後悔するかもしれない それでも許して欲しい、一心で――― 「許すとか、許さないとか  それ以前に言っておきたいんだ」 「・・・もう私には付きまとわないで」 そう言って彼女は俺の家を出た 体から力が抜けていくのを感じる その場に横たわり、吐き出すように、力なく呟く 「もう嫌だ、俺も疲れた」